洗濯機の容量で迷っている人は、だいたい5kgと7kgのあいだで止まっている。売り場でもこの2つが隣に並んでいて、値段は1万〜2万円ほど違い、見た目の大きさはそこまで変わらない。それで判断がつかなくなる。この記事では、週に何回まわすか・シーツや毛布を洗うか・防水パンに載るかという3つの軸で、どちらを買うべきかを決められるところまで持っていく。静音性やドラム式の話、容量別のおすすめ機種もあわせて扱う。
5kgと7kgのどちらを選ぶか
先に結論を書いておく。週2回以下しかまわさないなら7kg、週3回以上まわすなら5kgで足りる。これが一番外れにくい線引きだ。
洗濯物の量には目安がある。一般に、人ひとりが1日に出す洗濯物はおよそ1.5kgとされる。下着・靴下・Tシャツ・タオル、それに部屋着。これを積み上げると、3日ためて約4.5kg、5日ためて約7.5kgになる。5kgの洗濯機は「3日に1回まわす人の機械」で、7kgは「週末にまとめる人の機械」だ。数字で見るとあっけないほど単純である。
ただし洗濯機は定格容量いっぱいまで詰めると汚れが落ちにくくなる。実用上は8割前後で運用するのが気持ちがいいので、5kgは実質4kg、7kgは実質5.5〜6kgと考えておくといい。この補正を入れると、5kgは「2〜3日に1回」、7kgは「週2回」という運用感になる。
本体サイズの差も知っておきたい。5kg級は幅50cm前後、7kg級は幅55cm前後というのが縦型のおおまかな相場だ。5cmの差は数字にすると小さいが、脱衣所という戦場では意外と効いてくる。
一週間に何回まわすかで決まる
容量選びは、突き詰めると「自分の洗濯頻度を正直に見積もれるか」の勝負になる。ここを楽観的に見積もると失敗する。「毎日まわすつもり」で5kgを買った人が、平日は疲れて手が回らず土曜に3回まわしている、という話はよく聞く。
まとめ洗い派なら7kg
平日は洗濯機に触りたくない、週末にまとめて片づけたい。そういう生活なら7kgを選んだほうがいい。5日分の洗濯物は5kg機には入らないので、まとめ洗いの前提そのものが崩れてしまう。
7kgのもうひとつの利点は、まわす回数が減ることだ。洗濯1回に使う水は洗濯機の容量に比例するので、7kgで1回まわすのと5kgで2回まわすのを比べると、7kgのほうが水も電気も時間も少なくて済む。容量が大きいほうが1回あたりのコストは高いが、1週間の合計では小さくなる。ここは直感と逆になりやすいところである。
洗濯機を買い替えた人が「もっと早く大きいのにしておけばよかった」と言うのは、たいていこの回数の話をしている。
こまめに回すなら5kg
逆に、部屋干しスペースが狭い人・洗濯物をためておくのが気持ち悪い人は5kgでいい。1LDKや1Kだと、そもそも7kg分の洗濯物を一度に干す場所がない。洗い上がったものを干せなければ、大容量は宝の持ち腐れになる。
物干し竿1本に干せる量はだいたい3〜4kg分といったところで、7kgをまわしたら二部屋がかりになる。乾燥機能なしで7kgを選ぶ場合は、干す場所も一緒に考えておきたい。
5kgのほうが本体が小さく、価格も安く、動かすときも軽い。引っ越しの多い人にとってはこの軽さが効く。
頻度が決められないなら、干す場所が確保できるかで決める。干せるなら7kg、干せないなら5kg。
シーツと毛布を洗えるかどうか
容量選びでもうひとつ効いてくるのが寝具だ。ここは頻度の話とは別軸なので、分けて考えたほうがいい。
シングルの敷きパッドやシーツ1枚は、乾いた状態でおおむね0.5〜1kg。これだけなら5kgでも洗える。問題は毛布である。シングル毛布は素材にもよるが1.5〜2kg程度あり、水を吸うとかなり重くなる。多くのメーカーは毛布コースの対応可否を洗濯容量ごとに定めていて、毛布を家で洗いたいなら7kg以上を選んでおくほうが確実だ。
5kg機でも「毛布洗い可」を謳うモデルはあるが、対応するのはシングル1枚までで、しかも洗濯ネット必須という条件付きが多い。取扱説明書か製品ページの毛布容量の表記を見ると、そのモデルが何kgの毛布まで対応しているかが書いてある。買う前にここを見る人は少ないが、見ておいて損はない。
毛布・こたつ布団・敷きパッドを自宅で洗いたいなら7kg以上。5kgで足りるのはシーツと枕カバーまでと考えておく。年に数回しか洗わないならコインランドリーに持ち込むほうが安く、乾燥まで済ませられる。

置き場所と防水パンのサイズ
ここが一番の落とし穴で、容量を決めたあとに「置けなかった」と判明するパターンが後を絶たない。先に測ってほしい。
洗濯機置き場の床にある四角い受け皿を防水パンという。標準的な規格は640×640mm・740×640mm・800×640mmの3種類で、賃貸では640×640mmが最も多い。測るのは外枠ではなく内寸(内側の平らな部分の幅と奥行)で、さらに排水口や突起を避けた有効内寸を見る必要がある。
目安として、防水パンの内寸が54〜56cmあれば多くの機種が載る。640×640mmのパンなら内寸はおおむね54cm前後になるので、7kg級(幅55cm前後)でもぎりぎり載ることが多い。ただし排水口がパンの内側に出っ張っている物件では、そのぶん置ける幅が削られる。
測るべき寸法は4つある。
| 測る場所 | なぜ必要か |
|---|---|
| 防水パンの内寸(幅・奥行) | 本体の脚が収まるか |
| 水栓(蛇口)の高さ | 本体の高さが水栓に当たらないか |
| 玄関・廊下・扉の幅 | 搬入できるか |
| 排水口の位置 | 本体の真下に来ると排水ホースの取り回しが必要 |
水栓の高さは特に見落とされやすい。古い物件だと蛇口が低い位置にあり、背の高い洗濯機だとフタが開かない、あるいはそもそも本体が入らないことがある。水栓下までの高さと本体の高さを比べ、5cmは余裕を見ておきたい。
搬入経路が足りない場合、無理に押し込むと壁も本体も傷む。玄関幅が本体幅+数cmしかないときは、販売店の設置サービスに事前に相談する。
一人暮らしで後悔しやすい条件
失敗談を集めると、後悔のパターンはだいたい決まっている。
ひとつめが、価格だけで小容量を選んでしまうケース。3kg台の小型洗濯機は本体2万円前後で買えて魅力的に見えるが、Tシャツと下着とタオルを一緒に入れるとすぐ満杯になる。3kg台はメインではなくサブ機の容量で、靴やペット用品を分け洗いする用途に向く。メインで使うなら4.5kgが下限だと思っておいたほうがいい。
ふたつめが、乾燥機能への期待値のズレ。安価な縦型に付いている「風乾燥」や「送風乾燥」はヒーターを使わず風を当てるだけの機能で、洗濯物が乾くわけではない。部屋干しの時間を少し縮めるためのものだ。乾いた状態で取り出したいなら、洗濯乾燥機かドラム式を選ぶ必要がある。名前が似ているせいで誤解されやすいところである。
みっつめが、防振対策の不足。木造アパートの2階以上だと、脱水時の振動が床を伝わって階下に響く。かさ上げ台や防振ゴムは千円台から手に入るので、最初から予算に入れておくといい。
そして最後が、寸法を測らずに買ったケース。これに尽きる。搬入日に「入りません」と言われて返品手続きをする休日ほど、もったいないものはない。
静音性と夜の洗濯
集合住宅で夜に洗濯をするなら、ここは容量より重視していい。
静かさを分けるのはインバーターの有無だ。インバーター搭載機はモーターの回転を細かく制御でき、運転音・振動ともに小さくなる。運転音の目安は、インバーター機で洗濯時35〜40dB前後、非搭載機で45dB前後。数字の差は小さく見えるが、デシベルは対数なので体感差はもっと大きい。
一方でインバーター機は価格が上がる。5kg級では非搭載が主流で、インバーター搭載は6〜7kg以上の価格帯から選択肢が増えてくる。夜に洗濯する生活が確定しているなら、容量を上げてインバーター機を選ぶという判断は合理的だ。
もっとも、いくら静かな洗濯機でも脱水の音と振動はゼロにならない。深夜0時に脱水が始まる予約設定は避けたほうが平和である。夜洗いたいなら、22時までに終わるようにタイマーを組む。皆さんの物件の壁の薄さと相談してほしい。

一人暮らしでドラム式を選ぶ人
一人暮らしでドラム式は必要か、という質問は多い。答えははっきりしていて、乾燥まで機械にやらせたい人だけが買えばいい。
ドラム式の本質は乾燥機能である。洗濯から乾燥まで一気に終わるので、干す・取り込むという作業が消える。平日に家にいる時間が短い人にとって、この価値は大きい。節水性でも縦型より有利で、少ない水を叩きつけて洗う仕組みのため、1回あたりの使用水量は縦型より少なく済む。
問題は本体価格と設置条件だ。ドラム式は縦型より高く、奥行が大きく、扉が手前に開くぶん前方のスペースも要る。奥行48cm前後のスリムモデルも出てきてはいるが、それでも縦型より場所を取る。賃貸の脱衣所では扉が90度開かない、という事態も起きる。
方式ごとの洗浄力・乾燥方式・電気代の違いは縦型とドラム式の違いを比較した記事で詳しく扱っている。ドラム式が候補に入っている人は、そちらも読んでから決めてほしい。
容量別のおすすめ
ここまでの基準をふまえて、5kgと7kgから実際の機種を挙げる。価格は変動するので、目安として見てほしい。
パナソニック NA-F5B5(洗濯5kg・縦型)
こまめにまわす人向けの標準機。メーカーによれば、ビッグウイングパルセーターにより水位が低いときでも衣類をしっかりもみ洗いできるという。少量洗いが多い一人暮らしとは相性がいい。国内メーカーの安心感がありながら実売は3万円台から狙える。幅も抑えられていて、狭い脱衣所に置きやすい。
東芝 AW-7GM4(洗濯7kg・縦型)
価格.comの縦型ランキングでも上位に位置する定番機。2本のシャワーとパワフルパルセーターによるダブルシャワー洗浄で汚れを落とす、というのが公称の売りだ。週末まとめ洗い派の第一候補で、毛布も洗える。実売は5万円前後から。迷ったらこれを基準に他機種を比べる、という使い方ができる一台である。
アイリスオーヤマ IAW-T504(洗濯5kg・縦型)
とにかく初期費用を抑えたい人向け。2万円台から手に入り、部屋干しモードや予約タイマーといった必要な機能はひと通り揃っている。ノンインバーターなので静音性は上位機に譲るが、日中に洗濯できる生活なら不満は出にくい。新生活で家電を一度に揃える年は、こういう割り切りも正しい。
- 7kgあるので週2回のまとめ洗いが成立する
- 毛布コースに対応し寝具を家で洗える
- 定番機ゆえ実店舗でも実物を確認しやすい
- 幅・奥行とも5kg級より大きく防水パンの内寸確認が必須
- 乾燥機能はないので干す場所は自分で確保する必要がある
3機種とも縦型を挙げたのは、一人暮らしの設置環境と予算では縦型のほうが素直に収まるからだ。ドラム式は前述のとおり、乾燥まで任せたい人のための選択肢になる。
ほかの家電と一緒に揃えるなら
新生活で洗濯機を買う人は、たいてい冷蔵庫と電子レンジも同時に検討している。この3つは搬入日が重なるので、まとめて考えたほうが段取りがいい。
順番としては、洗濯機を最初に決めるのが合理的だ。置き場所の制約が一番きついのが洗濯機で、防水パンと水栓という動かせない条件に縛られる。冷蔵庫やレンジは多少置き場を融通できるが、洗濯機はそうもいかない。
予算配分の考え方や、どの家電にお金をかけるべきかは一人暮らしの家電の揃え方をまとめた記事に整理してある。家電をゼロから揃える段階の人は、そちらを先に見ると全体像がつかめる。
ちなみに、洗濯機と冷蔵庫は同じ日に搬入してもらったほうがいい。別々の日にすると、そのたびに半日在宅することになる。当たり前のようでいて、引っ越し直後は判断力が落ちているので忘れがちだ。
まとめ|回す頻度が決まれば容量も決まる
整理する。週2回以下のまとめ洗いなら7kg、週3回以上こまめにまわすなら5kg。毛布を家で洗いたいなら7kg以上。そして、どちらを選ぶにせよ防水パンの内寸と水栓の高さを先に測る。この3つを踏めば、大きく外すことはない。
洗濯機は毎日のように動かす道具で、しかも10年近く付き合うことになる。壊れるまで買い替えない家電の代表格だ。だからこそ、1万円の差で小さいほうを選んで週3回まわす生活を10年続けるのか、それとも週末に1回で終わらせるのかは、きちんと考える価値がある。ここは初期費用より、毎週の手間で判断していい。
洗濯機置き場の前でメジャーを構える時間は、たぶん10分もかからない。その10分がいちばん効く。
価格や在庫、セールの実施状況は時期によって変わる。最新の情報は各販売ページで確認してほしい。
